Project
受講者心情に寄り添った研修を実施し、カジタのマネジメント基準を作ることに成功
株式会社鍜治田工務店 様
2021(令和3)年、創業100周年を迎え、その長い歴史において一貫して黒字経営を続ける鍜治田工務店。教育においても、現場においても、社訓の「下げ振りの心」の通り基本を大事にしてきたことで大きく成長を遂げる。この基本を見失わないために属人的な基本に頼らず、全社員が同じ気持ちで行動できるよう管理職研修を皮切りにオーダーメイド研修を実施。
株式会社鍜治田工務店様にて、管理職研修とカスタマー対応研修を行わせていただきました。経営企画部A様、人事部N様のお二人に、感じられていた課題とそれを解決するためにどのように取り組まれていかれたのかを詳しく伺いました。社訓や業界の状況といった前提、背景と共に、増田と共に作り上げたオーダーメイド研修についてお話ししてくださいました。
管理職研修導入の背景を教えてください
我々は建設会社なので高品質でミスのない工事を推進していく必要があります。建設現場はそれぞれの現場で状況が異なり、現場ごとに適切な施工方法を選定していくのですが、工事の手法だけではなく、若手の育成にも現場ごとのバラつきが出ているように感じていました。ある現場では大きく育ったり、別の現場では中々芽がでなかったりと。何が原因なのかを突き詰めていくと「管理職としての基本が大事だ」ということに気づき、この「管理職としての基本」をカジタの共通認識にするため、研修を行うこととなりました。
当社は、新入社員には3年という期間で手厚く教育をしている反面、受け入れ側に対する、現場での教育方法に不足がありました。そのため、属人的になっている現場教育の改善や、管理監督責任者であるという認識を改めて持っていただくという目的もありました。今後は「社会人としての基本スキル」を階層別に展開していく予定です。
管理職研修について詳しく教えてください
退屈しない研修、眠くならない研修、をキーワードとし、少しでも頭に残る研修にしてくださいというお願いをしました。金融機関で働いていた際に、様々な研修を受けましたが、よほど興味があることでなければ、集中力が続きにくいと感じていたためです。
増田さんの研修は、適時ワークを入れたり、当社の事例を入れたおかげで、参加者の興味を引き集中し実施できたという手応えがありました。
──── 具体的にはどんな工夫が挙げられますか
増田さんの実体験による事例が効きました。リアリティがあり、自分ごととして聞くことができます。また、法律や社内規定を「知っているようで正確には知らない」ということに気づいてもらえるよう、かしこまった理論などではなく、シンプルにストレートに伝わる工夫を行いました。難しい理論を覚えたつもりになるのではなく、前述した通り、基本をきちんと理解してもらうためです。
──── こんなこと知っているよ、といった具合に真面目に聞かないというような雰囲気にはならなかったのでしょうか
そこは無かったです。増田さんのスキルでしょうね。ワークや事例を交えながら、役員クラスの方もうなずいて、前のめりな様子も見られました。普段やっていることの答え合わせをしながら受けているような感覚でもあったと思います。
オーダーメイド研修のコンテンツの1つとなった建設業における36協定についても教えてください
建設業界では、36協定の特別条項における残業の上限規制が2024年4月から適用されます。これはすでに一般企業においては定められているものですが、業務の特殊性や慣行を理由に、建設業界は適用が5年間猶予されていました。この期日が近づいてきたこともあり、適切な労務管理の知識や対応をしたく研修に盛り込みました。
長年の歴史と、業界の特異性もあり、社内システムや規定の整備だけでは労務管理がままならないのが現実です。建設現場で必死に働いてきた方ほど、過去の働き方を知っているがゆえに「週休2日、残業規制は不可能だ」というスタンスが見受けられます。そのため、法を遵守しようという綺麗ごとだけではなく、違反すればどのような罰則があるのか?労務管理は誰の仕事なのか?という管理者としての自覚と正しい知識をもつ必要があります。
──── それが基本ということですね
そうですね。増田さんには、当社の規定であったり人事評価の仕組みだったりを読み解いてもらい、当社に合わせた研修にしてもらいました。だからリアリティがあるように聞こえたんだと思います。
全てを理解して上で、課題解決ができる研修をするため、当社の課題を包み隠さず増田さんには伝えました。2024年の話が現実として捉えられるように「仕事を教えることだけが管理職の仕事ではない」というのも改めて話していただきました。法律を理解して、残業の指示や承認を事前に行うなど、全社的に展開していくうえで、まずは管理職から始めることが必然でした。
受講者からの声はどういったものがありましたか
非常に良い反応を得ることができました。当初お願いした退屈や眠くなるということは無かったです。この研修を受講して良かったというアンケート結果が多数を占めました。こういう研修は積み重ね、繰り返し、当たり前にやっていかないといけないので、それの第一歩として、開催して良かったと思っています。
──── 今回は実践できるまで伴走サポートとして、研修内容の定着のためのテストや動画による振り返りができる設計でした。そのあたりはいかがでしたか?
現場が忙しいということで振り返りまで実行するか不安がありましたが、想定以上に振り返りまで実施してくれました。業界のことをよく分かってくれている増田さんと企画・実施できたため、思った通りの研修になったと実感できました。
カスタマー対応研修についても教えてください
カスタマー部より、お客様に対する「基本」を一致させたい、との相談があり増田さんを紹介しました。
カスタマー部門というのは何か不備があってお問い合わせいただくところなので、初動を間違えればその後の対応が難しいものになります。その初動を個々に任せ属人的になると、会社対応としての最善な対応水準が不明確になるためカスタマー対応研修の実施を検討しました。
──── なぜ増田に依頼されたのでしょうか
増田さんは、もともと建設業に近い業界におられて、実体験に基づいた事例をあげてくれるという点が決め手でした。よくサービス業向けのホスピタリティ精神や接遇と合わせたクレーム対応の研修はよく見かけますが、そうではなく自社にあったものを実施できるというのが良かったです。
──── カスタマー部門における初めての研修ということで不安はありましたか
初めての研修でしたが、スムーズに準備が進み、実施することができました。各メンバーも共通認識を持った方が良いという意識があり、みんなの対応力を強化することを、年度目標のテーマにしていたので自発的に取り組んでいました。
増田さんが実体験に基づいた事例を活用して研修を組んでいくのがうまいから、やっぱりみんな分かりやすいと言っていましたね。
社訓「下げ振りの心」が示す基本
鍜治田工務店の社訓は「下げ振りの心」です。下げ振りとは、柱などが垂直かどうかを調べるために重力を利用した建築道具のひとつで、常に正しい方向を決める「ものさし」です。「どの方向から見ても真っ直ぐな心で考え、行動する」これが基本です。
社長がよく言うのは、ミスや考え方を間違えた場合、すぐに報告、事実確認し対応することが基本、基本から外れているものは下げぶりが傾いているので、正しい位置に戻し再スタートしなさいという話です。その言葉を改めて考え、みんなで共通認識にする機会になりました。今後も鍜治田工務店としての「下げ振りの心」を社員全員が持ち続けられるようにしていきます。
研修担当 増田からのメッセージ
工事のプロとして高いスキルと誇りを持っている鍜治田工務店。そこで働く社員には、若いうちから他社では味わえない責任感が高い仕事を任せてもらえています。そのため、他社の建設会社に比べて、現場経験が豊富で、若くして現場所長を務めていらっしゃいます。
特に専門力が問われる業界で、専門力を伸ばしていきやすいフィールドがカジタにはあると考えております。専門力と対となる基礎力については、今後さらに伸ばしていく予定であり、大きく成長されると確信しております。
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