Project
大切にしてきた制度を伴走型支援で「今の時代」にアップデートすることに成功
フローバル株式会社 様
1910(明治43)年創業、110年を超える歴史があり、配管と設備の専門企業として日本のものづくりと社会の発展を支えている。大阪本社を中心に国内主要都市から海外拠点まで展開。伝統を重んじる一方で、EC事業の成功や自社ブランドの展開など、商社の枠を超えた革新的な挑戦を続ける。現在は、積み上げてきた価値観を「今の時代」に合わせて再定義し、社員の成長としなやかな回復力(レジリエンス)を支える新制度の構築を推進している。
1910(明治43)年の創業以来、配管・設備の専門企業として日本のものづくりを支え続けてきたフローバル株式会社様。長年、会長自らがこだわりを持って構築してきた精緻な人事制度がありましたが、近年の急速な社会変化や価値観の多様化を前に「今の時代に最適な形」へのアップデートを模索されていました。今回は、制度のバトンを受け継ぐ現社長の想いや、旧制度の良さを活かしつつ「鉛筆をなめる必要のない(手調整のいらない)シンプルな仕組み」へと再構築した過程と、弊社との関わりについて、長年人事制度の構築・運用に直接携われた会長、2年前に就任された社長、社長室室長に詳しくお話を伺いました。
10年以上大切にされてきた旧制度において、どのような課題を感じられていたのでしょうか
(会長)我々はかれこれ10年以上「職務等級制度」を導入していました。しかし最近の人件費高騰や人材難、初任給の高騰などがあるなかで、これまでの職務等級制度だけではカバーしきれなくなってきていました。そのため、ジョブ型制度ですとか、必要に応じて制度を導入していかないといけなくなります。そうすると複雑化していき、せっかく制度があるのに、最終的な評価を決める際、少し鉛筆をなめないといけなくなるんですね。そこにジレンマがあったのが一番の理由です。
誰が使っても同じ答えが出るような制度にしたいというのが理想でした。会長である私や社長、そういった経営幹部が最終的に何か手を加えないとなかなか整合性が取れないような制度では、結局「人」に依存してしまっていると感じたのがきっかけですね。実際に評価をつける実務担当者たちと話をするなかで、実感していきました。
──── 変えると判断した際に外部へ依頼したのはなぜでしょうか
十分に社内での調整は行いました。大義名分を考えて、やはりこう皆が納得するような結果になるようなことをしてきたのですが、そのやり方からなかなか抜け出せないと言いますか、新しい仕組みを我々だけで作っていくのは難しいなと感じていたのです。
ただ、今まで作ってきたものを新しく刷新してしまうのではなくて、それの再構築というか、足らない部分に支援をしていただけるような会社にお願いしたいと思っていました。何社か選定し、その中からコンペを行うことにしました。

コンペ4社の中から選んだ決め手は、「パッケージの押し付け」がない徹底した寄り添い
(会長)3年前に新社長が就任しました。それまで随分長く、いま会長の私が社長として人事を自分なりにこだわりを持ってやってきました。その時もやはり外部の方と緻密にやり取りを行い制度を作ってきましたが、現社長に人事をどんどん引き継いでもらうには、新しい外部の方と繋がることも必要だと感じました。
(室長)コンペは4社で行い、最終的に幹部クラスの方の意見を聞きながら、ネバラントさんに決定しました。理由はいくつかありますが、我々の課題感を把握していただいた上で、それに合ったものを提案いただいた点が大きいです。
- こちら側の要求を理解していただいて、それに対して回答いただけた
- 提案段階から困っていることをよく聞いて理解してくれた
- これをしたら良い、といった制度やシステムの押し付けがなかった
- 最初の出会いとしても、土足でズカズカと入ってくるのではなく、何かあったらお声がけくださいねというスタンスでの営業だったのが印象が良かった
──── 他社との違いを感じられた点を教えてください
他社さんの提案から感じたのは、自分たちが持っているものを導入しようというものでした。パッケージをアレンジしたご提案で寄り添ってくれてはいましたが、これまで自社で作り上げてきたものを全く別の新しいものにしたかったわけではなかったので。ネバラントさんには、そこの思いと、課題に真摯に向き合っていただきました。

「完璧な人事制度はありません」――時代に合わせて変化させる“伴走型”の設計プロセス
(社長)一番印象に残っているのは、最初に「完璧な人事制度はありません」と仰られたことですね。我々の仕組み、今後考えられる働き方の多様性に対し、一番ベターなものをやりましょう、というスタンスで臨まれたのが非常に印象に残っています。この時点で、時代に合わせて変わっていくものなんだと認識できたのが良かったです。
(室長)自分が働いている会社のことはよく見えていますが、外の会社のこと、要するに世間の常識で当社の非常識みたいな話を聞けたことが良かったです。今の時代にあわせた考え方や、他社事例、海外における人事の仕組み、そういった話を分かりやすくいろいろと教えていただきました。よく理解しながら取り入れることができたので、世間と足並みを揃えながら、当社の人事制度を維持していくことができていると実感しています。
(会長)先ほど申し上げたように旧制度の時も外部との関わりはありましたが、設計後はなかなか関係も希薄になっていましたので、社内でカスタムメイドな人事制度が強くなっていく中で世の中とマッチしているのかという不安がありました。そういった中で御社のとお話をさせていただことでそういった点をアップデートさせてもらったという実感があります。
制度を形骸化させないためにどんな工夫をされたのでしょうか

(社長)形だけにならないように、設計段階で社員向けの説明会を行いました。時代背景の変遷やこれから必要になってくる視点の共有をしたことで、心の琴線に引っかかった人もいると思います。特に中間層に理解を深めてもらうことは新しい人事制度の浸透にも重要になってくると実感しました。
リモート、対面含めて行われました。なぜ必要なのか、という話が分かりやすく、これまでそういった話を聞く機会があまりなかったので良かったと評判です。
完璧なものはないというお話から、時代に合わせて人事制度も変えていくというのは必要な考えだと思っています。例えば、働き方に対する価値観であったり、若い人が求めるものが多様化している中で、我々が働く人に対して人事制度を通して、どういう喜びや価値観を提供できるかなというところに繋がってくると思うんです。だから時代の変化とともに、今ベストだと思っているものもアレンジしていかないといけないという考えは持ち続けたいと思っています。ただ一方で、守らなきゃいけないものもありますので、そのバランスをいかに取っていくかというところも意識しています。
これから始まる「教育」のフェーズにおいて、社員の皆様にはどのような姿を期待されていますか
教育に関しては、人事制度から少し遅れて検討を始めました。3つの柱で考えています。
- 管理職に対する教育
- 選抜者、将来を担う人材の教育
- レジリエンスを目的とした教育
これまで、職位が違っていても悪い意味で同列みたいなところがあったんですね。もちろん良い意味でもありますが、悪い意味で言うと、責任や本来許される範囲での判断ができているかなどが曖昧でした。また、当然持っておくべきスキルというのも今後を担う人たちにとって意識的に取り組める下地が必要だと感じました。
最後のレジリエンスについては、今の世の中に必要なものだと感じています。しなやかさであったり回復力。昔みたいに物を作ったら売れるという簡単な時代じゃなくなっています。いろんな価値観があるために、努力の方向が必ずしも結果に出るとは限らないということがあります。たとえそういった結果になっても回復してスイッチできるような力がないと頑張り続けることができないですよね。そういった点にも目を向け教育面についてもネバラントに企画してもらっています。
失敗を許容してくれる懐がある、という会社でいたい。会長もそういう方ですし、取り返しのつかない失敗ではない限り、ある程度の失敗というのは授業料として受け止めています。怠慢な失敗は別ですが、前向きな失敗についてですね。
(会長)就活サイトを通して会社に対して「教育面がまだできていない」という意見を目にしたことがありました。給与制度や目標管理、評価、そういった制度に関してしっかり力を注いできましたが、教育について力不足だったことが私の反省点です。そこを現社長はすごく熱心に取り組んでいます。特に社員のエンゲージメントについて問題意識を強く持っていますので、これから良い方向に進んでくれると期待しています。
──── 時代の変化でもありますね
そうでうすね、OJTが基本だった時代から、しっかり教育をしていく時代に変わったと実感しています。
(社長)なぜ今、教育に力を注ぐのか。そこには二つの本音があります。一つは、非常に現実的な「コスト」の側面です。離職によって生じる採用コストをかけるよりも、今いる社員がやりがいを持って活躍できる環境を整える方が、経営合理性に適っています。そしてもう一つは、スティーブ・ジョブズが遺した「即戦力などいない。だから育てるんだ」という言葉にあります。最初から完璧な人材を外に求めるのではなく、会社のビジョンや理念を分かち合いながら共に成長していくプロセスが、会社の真の成長に繋がると思いますので教育を大事にしたいと思っています。
実際にご活用いただいて、ネバラントのどういった点がおすすめだと思われますか

(会長)一番はやはり寄り添ってもらえた点です。我々は独自に人事をやってきた部分がありまして、そこに対し教科書通りのものを押し付けるのではなく、我々の経緯ですとか状況をしっかり聞いていただいた上でアドバイスを頂けたといのが良かったです。納得感もあったし、理解も深まったのですごく助かりました。毎回レジュメを作ってきてもらったが、前回までの打ち合わせがきちんと盛り込まれていて、熱心に取り組んでもらったと実感しましたし、ありがたかったです。
(社長)ほぼ同じですね(笑)。同じ内容になりますが、とにかく事情を理解してくれたうえで押し付けることがなく、一番良いと思われるものを提案し続けてくれました。その中でも我々がちょっと違うな、と伝えれば非常にスピーディーに修正してくれました。こういった点は、他社さんにもお勧めできることだと思います。
(室長)業界に特化していなというところも良かったですね。対応力が高く、業界を跨いでいるからこその知識の豊富さを目の当たりしました。それで、上から目線じゃないというのも良かったです(笑)。気付いたらそこにいたというか。本音を喋ってくれていると感じることができましたし、どうしても人事に関わることになると社内で相談しきれない部分も、増田さんに話せるのが良かったように思います。
担当 増田よりメッセージ
フローバル様とのプロジェクトは、「長年大切に育ててきた旧制度の良さを残しつつ、これからの時代と新しい経営陣のビジョンに合わせた制度へといかにアップデートするか」という、非常にやりがいのある挑戦でした。
会長が築き上げられた人を大切にする文化と、現社長が思い描くこれからの人材育成のあり方。お二人の熱い想いやジレンマを包み隠さずお話しいただけたからこそ、型にはまったパッケージの押し付けではなく、フローバル様にとっての「いま一番ベストな形」をオーダーメイドで創り上げることができたと感じております。
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